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メゾン・ド・ヒミコ 通常版
メゾン・ド・ヒミコ 通常版
久保田修

定価: ¥ 4,935
販売価格:
人気ランキング: 75666位
おすすめ度: 
発売日: 2006-03-03
発売元: 角川エンタテインメント
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「おもしろうて、やがて悲しき・・」
地味な事務員の前に、美しい青年が現れる。
彼は生き別れの彼女の父のゲイの「恋人」だった。
死期の近い彼女の父は、ゲイのための老人ホームを経営していた。
彼女はやむなくそこを手伝う羽目に・・というお話。
生きたいように生きることは、ときにラクではない。
「ゲイの老人ホーム」に中学生は落書きする。水風船を投げる。
薄毛の老人が美しいドレスではしゃいでいる姿は、やっぱりちょっと可笑しい。
「次に生まれ変わったら絶対女になるんだから!好きな服を好きなだけ着られるなんて、こんな幸せなことはないわ」
葛藤を乗り越えて好きな格好をしているゲイの老人もいるかと思えば、「鏡を見て悲しくなるから」着られない老人もいる。
脚本家は彼の葛藤を軽く笑い飛ばす。
「ブスで地味な事務員」の柴咲コウが言う。
「女だって何でも着られるわけじゃないよ。例えば・・バニーガールとか(の格好はできない)。」
ユーモアとペーソスの効いたストーリーのほかにも、特筆すべきは、オダギリジョーの佇まいの美しさ。
白いスーツに着替えて現れる彼の姿は、ちょっとした奇跡だ。
荒唐無稽になりかねない話を成立させているのは、決してでしゃばらないのに目を引き付ける彼の圧倒的な引力だ。
性と生と死、そして愛
同性愛者専門老人ホーム、メゾン・ド・ヒミコでの
性と生と死の話。オダギリジョーは本当に男から見ても色っぽい男だ。
「カマっぽい」演技はいっさいしていないからこそゲイであるという設定に違和感を感じなかった。そして柴咲コウ。ドラマやCMで華ありまくりなのに良くぞここまで地味な印象にできたものだ。スタイリスト、メイク係りの手腕のおかげか。ヒミコの死を目前にそれぞれ受け入れられるもの受け入れられないものをいやというほどみせつけられていくシナリオはせつなかった。でもラストは少しだけ暖かくてうれしかった。
劇場で観たかった映画
田中扮する堂々たる卑弥呼ママと、陽気なゲイたちの終の棲みかであるはずのメゾン・ド・ヒミコは、欧風なおしゃれな外観とは裏腹に、内実は老いと病と資金不足の三重苦にあえいでいます。そしてそこに棲んでいる生息者たちの個性あふれる面々・・・ちょっと憂いを帯びた春彦・・ファンではない私をも惑わすほどのオダギリジョー扮する春彦・・・本当にステキです。その憂いは撮影当日の風邪ひきにあるとかないとか・・・!そして、きゅっと上がったかっこいいお尻と無精ひげが妙にエロチックな雰囲気を漂わせて、ゾクゾクするほどのいい男に仕上がってます。その対極線上にある柴崎コウ扮する、ぶっちょう面のどこにでもいそうな愛想のない事務員 沙織。これは柴崎コウが見事に演じきっていますね。
原色大柄花模様に決して負けない、強烈な個性が光る田中眠の吐息が聞こえてきそうなほどのリアル感あふれる映像美が退廃的なムードをうまく演出しています。そそいて、ストレートの男はこんなにも色気がないのよ・・と言わんばかりの西島秀俊扮する、能不動な何も考えないノータリン社長も・・作品に花?を添えています。
そして、観終わった後の清清しさは、一体何なんでしょう?オダギリジョーと柴崎コウの妙を得た組み合わせと脚本のうまさが、いつまでも心に残る映画です。映画館で一人、作品に浸りきって観たかったですね。


